下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成29年 問39

【動画解説】法律 辻説法

【問 39】 営業保証金を供託している宅地建物取引業者Aと宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)の社員である宅地建物取引業者Bに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア A(国土交通大臣免許)は、甲県内にある主たる事務所とは別に、乙県内に新たに従たる事務所を設置したときは、営業保証金をその従たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

イ Aは、平成29年5月1日に、Bに手付金500万円を支払い、宅地の売買契約を締結した。宅地の引渡しの前にBが失踪し、宅地の引渡しを受けることができなくなったときは、Aは、手付金について、弁済業務保証金から弁済を受けることができる。

ウ Bは、保証協会の社員の地位を失ったときは、その地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければならない。

エ Bの取引に関して弁済業務保証金の還付があったときは、Bは、保証協会から当該還付額に相当する額の還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、還付充当金を保証協会に納付しなければならない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 39】 正解 2

ア 誤り。宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに事務所を設置したときは、当該事務所につき政令で定める額の営業保証金を供託しなければならないが、この供託先は、主たる事務所のもよりの供託所である。
*宅建業法26条

イ 誤り。宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金から還付を受ける権利を有する。手付金が宅地建物取引業に関する取引であることは問題ないが、還付を受ける権利を有する者から宅地建物取引業者に該当する者は除かれている。したがって、宅地建物取引業者Aは弁済業務保証金から還付を受けることはできない。
*宅建業法64条の8第1項

ウ 正しい。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業保証協会の社員の地位を失ったときは、当該地位を失った日から1週間以内に、営業保証金を供託しなければならない。
*宅建業法64条の15

エ 正しい。宅地建物取引業保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員又は社員であった者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を宅地建物取引業保証協会に納付すべきことを通知しなければならない。この通知を受けた社員又は社員であった者は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
*宅建業法64条の10第2項


以上より、正しいものは、ウ及びエの二つであり、正解は肢2である。


【解法のポイント】肢イは今年の改正事項であり、出題を予想していた人が多かったのではないかと思います。