下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成29年 問27

【動画解説】法律 辻説法

【問 27】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア 売買契約において、Bが担保責任を追及するために契約不適合を通知すべき期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。

イ 売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による契約不適合についてのみ、引渡しの日から1年以内に買主が契約不適合を売主に通知すれば買主は解除できるという特約を定めた場合、その特約は無効となる。

ウ Bが担保責任を追及するために契約不適合を通知すべき期間内に通知をした場合においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし

【解答及び解説】

【問 27】 正解 1

ア 誤り。宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、原則として民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならないが、例外的に買主が担保責任を追及するために契約不適合を通知すべき期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をすることは認められている。したがって、本肢特約は有効である。
*宅建業法40条

イ 正しい。宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、原則として民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。民法においては、契約不適合責任による契約の解除には、売主の帰責事由は不要とされており、また、買主が担保責任を追及するために契約不適合を通知すべき期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約は認められているが、引渡しの日から1年間という特約は認められない。したがって、本肢特約は無効である。
*宅建業法40条

ウ 誤り。宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、原則として民法に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。民法では、担保責任の追及方法として、損害賠償請求だけでなく、契約の解除も認められており、本肢特約は買主に不利であり無効である。
*宅建業法40条

以上より、正しいものはイのみであり、肢1が正解となる。


【解法のポイント】個数問題は苦手とする人が多いと思いますが、本問は、肢は3つであり、内容的にも平易なものだったので、問題はないと思います。