下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成29年 問9

【動画解説】法律 辻説法

【問 9】 1億2,000万円の財産を有するAが死亡した。Aには、配偶者はなく、子B、C、Dがおり、Bには子Eが、Cには子Fがいる。Bは相続を放棄した。また、Cは生前のAを強迫して遺言作成を妨害したため、相続人となることができない。この場合における法定相続分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Dが4,000万円、Eが4,000万円、Fが4,000万円となる。

2 Dが1億2,000万円となる。

3 Dが6,000万円、Fが6,000万円となる。

4 Dが6,000万円、Eが6,000万円となる。

【解答及び解説】

【問 9】 正解 3

本問では、Aの子Dは相続人となる。次に、B及びCに子がいるが、被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は相続人の欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる(代襲相続)。
そして、Bは相続放棄しているが、相続放棄は、上記のどれにも該当しないので、Bの子Eは代襲相続しない。
また、Cは詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をすることを妨げた者であり相続の欠格事由に該当し(民法891条3号)、Cの子Fは代襲相続する。
以上より、Aの相続人は、D及びFとなり、Aの相続財産をそれぞれ1/2ずつ相続するので、それぞれの法定相続分は、Dが6,000万円、Fが6,000万円となり、肢3が正解となる。
*民法887条2項


【解法のポイント】本問は、代襲相続に焦点を絞った問題です。代襲相続が起きるのは、死亡、相続欠格、排除の3つであり、相続放棄では代襲相続は起こらないという基本的な知識があれば、簡単な問題でした。