下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成28年 問37

【動画解説】法律 辻説法

【問 37】 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が乙県内に新たに支店を設置して宅地建物取引業を営んでいる場合において、免許換えの申請を怠っていることが判明したときは、Aは、甲県知事から業務停止の処分を受けることがある。

イ 宅地建物取引業者Bが自ら売主として宅地の売買契約を成立させた後、当該宅地の引渡しの前に免許の有効期間が満了したときは、Bは、当該契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、宅地建物取引業者として当該取引に係る業務を行うことができる。

ウ Cが免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした場合には、その行為について刑に処せられていなかったとしても、Cは免許を受けることができない。

エ 宅地建物取引業者D(甲県知事免許)が乙県内に新たに支店を設置して宅地建物取引業を営むため、国土交通大臣に免許換えの申請を行っているときは、Dは、甲県知事免許業者として、取引の相手方等に対し、法第35条に規定する重要事項を記載した書面及び法第37条の規定により交付すべき書面を交付することができない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 37】 正解 2

ア 誤り。免許換えが必要な場合において、免許換えの申請を怠っていることが判明したときは、免許取消処分になるのであり、業務停止処分を受けることはない。
*宅建業法66条1項5号

イ 正しい。免許の有効期間が満了したときは、当該宅地建物取引業者であった者は、当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされるので、本肢取引に係る業務を行うことができる。
*宅建業法76条

ウ 正しい。免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者は、免許を受けることができない。この不正又は著しく不当な行為について、特に刑に処せられていなかったとしても同様である。
*宅建業法5条1項8号

エ 誤り。免許換えの申請があった場合において、引き続き宅地建物取引業を営もうとするときは、従前の免許は、免許換えの処分がなされるまでの間は、なお効力を有するので(宅建業法3条4項の準用)、免許換えの申請を行っているときでも、35条書面や37条書面の交付をすることができる。
*宅建業法7条2項

以上より、正しいものは、イとウの二つであり、正解は肢2となる。


【解法のポイント】肢エは、条文の準用がなされており、その意味で難しい規定になっていると思いますが、内容的には、免許換えの申請中に35条書面等の交付ができなくなるのはおかしいので、「誤り」であることは分かったと思います。