下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成28年 問6

【動画解説】法律 辻説法

【問 6】 Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合の売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Aが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、BはAに対して、損害賠償を請求することができる。

2 Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転することができないときは、Bは、本件契約を解除することができる。

3 Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、BはAに対して、損害賠償を請求することができない。

4 Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合、Bは、本件契約を解除することができる。

【解答及び解説】

【問 6】 正解 3

1 正しい。債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでないが、本肢では、Aに帰責事由がある。
*民法415条1項

2 正しい。債務の全部の履行が不能であるときは、買主は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。これは、買主が悪意であっても同様である。
*民法542条1項1号

3 誤り。売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合、買主は損害賠償を請求することができる。この損害賠償請求をするには買主の善意悪意を問わない。
*民法565条

4 正しい。売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合、買主は契約を解除することができる。この解除をするには買主の善意悪意を問わない。
*民法565条



【解法のポイント】本問は、売主の担保責任の問題としては、非常に基本的なものです。特にコメントはありません。