下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成28年 問1

【動画解説】法律 辻説法

【問 1】 次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

1 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年5%とする旨

2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づく金銭債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる旨

3 免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨

4 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する旨

【解答及び解説】

【問 1】 正解 2、3及び4

1 規定されていない。利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年3パーセントとし、その後法務省令で定めるところにより、3年を一期とし、一期ごとに、一定の方法により算出されたものとされている。
*民法404条

2 規定されている。民法には、「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。」と規定されている。
*民法622条の2第2項

3 規定されている。民法には、「免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。」旨が規定されている。
*民法472条2項

4 規定されている。本肢の「契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する」というのは、「第三者のためにする契約」といい、民法に規定されている。
*民法537条1項


【解法のポイント】すっかり第1問で恒例となっている「民法の条文に規定されているか」という形の問題ですが、こういう形の出題が妥当かどうかは、私は個人的には疑問に思っています。この手の問題を気にすると、民法のすべての勉強のときに、それが「民法に規定」されているかどうかを覚えておかざるを得ず、必要以上に受験生に負担を掛けます。しかも本問の正解肢である肢4は、初出題で、内容的にも不動産の取引ではあまり使われないものです。間違えた人が多かったと思いますが、気にせず次の問題に移りましょう。

【法改正による変更】肢3は当初「規定されていない」という肢でしたが、法改正により「規定されている」に変更になり、肢3も正解となりました。