下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成27年 問36

【動画解説】法律 辻説法

【問 36】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金2,400万円)の売買契約を締結する場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

ア Aは、Bとの間における建物の売買契約において、当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を480万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた。この場合、当該特約は全体として無効となる。

イ Aは、Bとの間における建物の売買契約の締結の際、原則として480万円を超える手付金を受領することができない。ただし、あらかじめBの承諾を得た場合に限り、720万円を限度として、480万円を超える手付金を受領することができる。

ウ AがBとの間で締結する売買契約の目的物たる建物が未完成であり、AからBに所有権の移転登記がなされていない場合において、手付金の額が120万円以下であるときは、Aは手付金の保全措置を講じることなく手付金を受領することができる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【解答及び解説】

【問 36】 正解 1

ア 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主となる売買契約において、損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える特約は、代金の額の10分の2を超える部分について、無効とする。
*宅建業法38条

イ 誤り。宅地建物取引業者は、自ら売主となる売買契約の締結に際して、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができず、これに反する特約で、買主に不利なものは、無効となる。これは買主の承諾があった場合でも同様である。
*宅建業法39条

ウ 正しい。宅地建物取引業者は、未完成物件の売買で自ら売主となるものに関しては、手付金等の保全措置を講じた後でなければ、手付金等を受領してはならないが、宅地建物取引業者が受領しようとする手付金等の額が代金の額の100分の5以下であり、かつ、1,000万円以下であるときは、保全措置は不要である。
*宅建業法41条1項

以上より、正しいものはウのみであり、肢1が正解となる。


【解法のポイント】今年は、個数問題が多かったですが、出題者は手加減したつもりなのでしょうか、正誤の対象となる問題文が「3つ」というのが、9問中5問ありました。本問もそうです。ただ、本問を見れば分かりますが、肢4は「なし」という解答です。つまり、「ゼロ解答」(全部「正しい」「誤り」)というのが含まれることになります。この形は、問題文を読む量が減るという点では、助かりますが…