下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成27年 問8
【問 8】 同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
ア マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。
イ マンションの売買契約がマンション引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と、買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。
ウ マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【解答及び解説】
【解法のポイント】本問のように、同時履行の抗弁権というのは、丸ごと1問出題されることがあるので注意が必要です。もちろん、肢の一つとして出題されることはよくあるので、意外に出題されます。本問は、平易な問題でした。
【問 8】 正解 1
ア 誤り。マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、明渡しが先履行となり、同時履行の関係には立たない。
イ 誤り。売買契約が解除された場合の、相互の原状回復義務は同時履行の関係に立つ。
*民法546条
ウ 正しい。マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、どちらかが先に履行するのは不公平であり、典型的な同時履行の例である。
*民法533条
以上より、正しいものはウのみであり、正解は肢1である。【解法のポイント】本問のように、同時履行の抗弁権というのは、丸ごと1問出題されることがあるので注意が必要です。もちろん、肢の一つとして出題されることはよくあるので、意外に出題されます。本問は、平易な問題でした。