下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成27年 問1

【動画解説】法律 辻説法

【問 1】 次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

1 債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨

2 事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする者が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ無効となる旨

3 併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨

4 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める旨

【解答及び解説】

【問 1】 正解 1、2、3及び4

1 規定されている。人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効は、権利を行使することができる時から20年である旨が民法に規定されている。
*民法167条

2 規定されている。事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
*民法465条の6第1項

3 規定されている。民法には、「併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。」旨が規定されている。
*民法470条2項

4 規定されている。「債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。」という過失相殺の規定は、民法418条に規定されている。
*民法418条


【解法のポイント】本問は、当初は肢4が正解でした。しかし、肢1、肢2及び肢3は、民法改正により民法に規定されましたので、肢1、肢2及び肢3も正解となりました。
要するに、この問題は民法で改正が予定されていた内容が出題対象となっていたということです。