下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成26年 問44

【動画解説】法律 辻説法

【問 44】 宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に基づく監督処分に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。

ア 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が乙県内において法第32条違反となる広告を行った。この場合、乙県知事から業務停止の処分を受けることがある。

イ 宅地建物取引業者B(甲県知事免許)は、法第50条第2項の届出をし、乙県内にマンション分譲の案内所を設置して業務を行っていたが、当該案内所について法第15条第3項に違反している事実が判明した。この場合、乙県知事から指示処分を受けることがある。

ウ 宅地建物取引業者C(甲県知事免許)の事務所の所在地を確知できないため、甲県知事は確知できない旨を公告した。この場合、その公告の日から30日以内にCから申出がなければ、甲県知事は法第67条第1項により免許を取り消すことができる。

エ 宅地建物取引業者D(国土交通大臣免許)は、甲県知事から業務停止の処分を受けた。この場合、Dが当該処分に違反したとしても、国土交通大臣から免許を取り消されることはない。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【解答及び解説】

【問 44】 正解 1

ア 正しい。業務停止処分は、免許権者だけでなく、業務を行った都道府県の知事も命ずることができるので、乙県知事はAに対して業務停止処分をすることができる。
*宅建業法65条4項

イ 正しい。指示処分は、免許権者だけでなく、業務を行った都道府県の知事も命ずることができるので、乙県知事はBに対して業務停止処分をすることができる。
*宅建業法65条3項

ウ 正しい。国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者の事務所の所在地を確知できないときは、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても当該宅地建物取引業者から申出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。任意的免許取消処分事由である。
*宅建業法67条1項

エ 誤り。国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が、業務の停止の処分に違反したときは、当該免許を取り消さなければならない。したがって、国土交通大臣はDの免許を取り消さなければならない。
*宅建業法66条1項9号

以上より、誤っているものは、エのみであり、正解は肢1となる。


【解法のポイント】この問題は、監督処分の処分権者の問題が中心で、それほど難解ではないと思いますが、内容がみなさん苦手な監督処分であること、また、みなさん苦手な個数問題であること、の二重の意味でやりにくかったという人が多かったのではないかと思います。もう、個数問題からは逃げることはできないわけですから、精神的にブレずに、淡々と○×を付けて、個数問題に対処して下さい。