下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成26年 問41

【動画解説】法律 辻説法

【問 41】 次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 宅地建物取引業者が、他の宅地建物取引業者が行う一団の宅地建物の分譲の代理又は媒介を、案内所を設置して行う場合で、その案内所が専任の宅地建物取引士を置くべき場所に該当しない場合は、当該案内所には、クーリング・オフ制度の適用がある旨を表示した標識を掲げなければならない。

2 宅地建物取引業者が、その従業者をして宅地の売買の勧誘を行わせたが、相手方が明確に買う意思がない旨を表明した場合、別の従業者をして、再度同じ相手方に勧誘を行わせることは法に違反しない。

3 宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地建物売買契約成立後、媒介を依頼した他の宅地建物取引業者へ報酬を支払うことを拒む行為は、不当な履行遅延(法第44条)に該当する。

4 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備えなければならないが、退職した従業者に関する事項は従業者名簿への記載の対象ではない。

【解答及び解説】

【問 41】 正解 1

1 正しい。案内所が専任の宅地建物取引士を置くべき場所に該当しない場合は、契約の締結等を予定していないということであり、当該案内所で契約の締結等を行うとクーリング・オフをすることができるので、当該案内所の標識には、クーリング・オフ制度の適用がある旨の表示が必要である。
*宅建業法施行規則19条、様式第11号の3

2 誤り。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方等が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続してはならない。これは、別の従業者が勧誘しても同じである。
*宅建業法施行規則16条の12第1号ニ

3 誤り。不当な履行遅延(法第44条)の禁止は、履行行為として重要な「登記」「引渡し」「対価(売買代金等)の支払」の3つについて、その不当な遅延を禁止するものである。そして、報酬の支払いは、「登記」「引渡し」「対価の支払」のいずれにも該当せず、不当な履行遅延(法第44条)に該当しない。
*宅建業法44条

4 誤り。従業者名簿の記載事項として、「当該事務所の従業者でなくなったときは、その年月日」というのがあり、退職した従業者に関する事項でも従業者名簿への記載の対象となることがある。
*宅建業法施行規則17条の2第1項5号


【解法のポイント】正解肢である肢1は、ほとんどの受験生は知識として、これを知っているということではないでしょう。出題者は、クーリング・オフができる案内所か、できない案内所の区別を問うているのだと思います。肢4は、ちょっと細かい問題ですね。