下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成26年 問37

【動画解説】法律 辻説法

【問 37】 宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B(共に消費税課税事業者)が受け取る報酬に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア Aが居住用建物の貸借の媒介をするに当たり、依頼者からの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が貸借の契約の成立に寄与したとき、Aは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額を請求できる。

イ Aは売主から代理の依頼を受け、Bは買主から媒介の依頼を受けて、代金4,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から277万2,000円、Bは買主から138万6,000円の報酬をそれぞれ受けることができる。

ウ Aは貸主から、Bは借主から、それぞれ媒介の依頼を受けて、共同して居住用建物の賃貸借契約を成立させた場合、貸主及び借主の承諾を得ていれば、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1.1か月分の報酬を受けることができる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【解答及び解説】

【問 37】 正解 4

ア 誤り。報酬とは別に受領できる広告料金は、「依頼者の依頼」によって行うものに限る。
*告示第七

イ 誤り。まず、報酬の計算のもとになる取引金額であるが、土地はもともと消費税がかからないので、4,000万円となる。
したがって、Aが売主から受領できる報酬の上限は、代理であるから、(4,000万円×3%+6万円)×1.1×2=277万2,000円となる。
次に、Bが買主から受領できる報酬の上限は、媒介であるから、(4,000万円×3%+6万円)×1.1=138万6,000円となる。
しかし、本肢では、A及びBが合計で415万8,000円を受領しており、両者が受領できる報酬の上限の合計である277万2,000円を超えているので、法に違反している。
*告示第二・第三

ウ 誤り。宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の1.1倍に相当する金額以内とされているので、本肢では1月分の2.2倍に相当する金額を受領しているので法に違反している。
*告示第四

以上より、正しいものはなく、正解は肢4となる。


【解法のポイント】今年の報酬の計算は、複雑な計算が出なくて助かりましたね。本問でまともな計算が必要なのは、肢イだけでした。もっとも、権利関係が難しく、そこで時間を取られますので、うまくバランスは取られています。