下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成26年 問25

【動画解説】法律 辻説法

【問 25】 地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 土地鑑定委員会は、標準地の価格の総額を官報で公示する必要はない。

2 土地の使用収益を制限する権利が存する土地を標準地として選定することはできない。

3 不動産鑑定士が土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、標準地の鑑定評価額が前年の鑑定評価額と変わらない場合は、その旨を土地鑑定委員会に申告することにより、鑑定評価書の提出に代えることができる。

4 不動産鑑定士は、土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格を基本とし、必要に応じて、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案しなければならない。

【解答及び解説】

【問 25】 正解 1

1 正しい。土地鑑定委員会は、標準地の単位面積当たりの正常な価格を公示するが、標準地の価格の「総額」まで官報で公示する必要はない。
*地価公示法6条

2 誤り。土地の使用収益を制限する権利が存する土地を標準地として選定することもできる。なお、この場合の「正常な価格」は、当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格となる。
*地価公示法2条2項

3 誤り。標準地の鑑定評価を行った不動産鑑定士は、土地鑑定委員会に対し、鑑定評価額その他の国土交通省令で定める事項を記載した鑑定評価書を提出しなければならない。標準地の鑑定評価額が前年の鑑定評価額と変わらない場合でも、これを土地鑑定委員会に対する申告で代えることはできない。
*地価公示法5条

4 誤り。不動産鑑定士は、標準地の鑑定評価を行うにあたっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格だけでなく、近傍類地の地代等から算定される推定の価格及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を「すべて」勘案して行わなければならないのであり、「必要に応じて」使い分けるわけではない。
*地価公示法4条


【解法のポイント】今年は、普通の順番でいうと不動産鑑定評価の問題だったと思いますが、2年続けての地価公示法からの出題になりました。何度も書きますが、ヤマを張るな!ということの典型的な問題だったと思います。各肢は問われ方が従来と異なる部分もありますが、内容的には、平易なものだったと思います。