下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成25年 問18

【動画解説】法律 辻説法

【問 18】 建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 地方公共団体は、延べ面積が1,000㎡を超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員について、条例で、避難又は通行の安全の目的を達するために必要な制限を付加することができる。

2 建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物等については、建蔽率の制限は適用されない。

3 建築物が第二種中高層住居専用地域及び近隣商業地域にわたって存する場合で、当該建築物の過半が近隣商業地域に存する場合には、当該建築物に対して法第56条第1項第3号の規定(北側斜線制限)は適用されない。

4 建築物の敷地が第一種低層住居専用地域及び準住居地域にわたる場合で、当該敷地の過半が準住居地域に存する場合には、作業場の床面積の合計が100㎡の自動車修理工場は建築可能である。

【解答及び解説】

【問 18】 正解 3

1 正しい。地方公共団体は、延べ面積が1,000㎡を超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により、避難又は通行の安全の目的を達するために、条例で、必要な制限を付加することができる。
*建築基準法43条2項

2 正しい。建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物等について、建蔽率の制限は適用されない。
*建築基準法53条6項1号

3 誤り。建築物が二以上の用途地域にわたる場合、北側斜線制限の適用については、それぞれの用途地域の「建築物の部分」について、北側斜線制限が適用される。したがって、北側斜線制限は第一種低層住居専用地域~第二種中高層住居専用地域に適用があるので、第二種中高層住居専用地域内にある建築物の部分については北側斜線制限が適用されるが、近隣商業地域内にある建築物の部分については北側斜線制限は適用されない。
*建築基準法56条5項

4 正しい。建築物が二以上の用途地域にわたる場合、用途制限については過半主義が適用されるので、本肢では全体が準住居地域に存するものとして用途制限の規制を受ける。そして、準住居地域においては、作業場の床面積の合計が100㎡の自動車修理工場は建築可能である。
*建築基準法48条


【解法のポイント】本問の正解肢である肢3は細かいようですが、過去問の範囲です。肢4も含めて複数の用途地域にわたる場合というのは、あらかじめまとめておく必要があります。