下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成24年 問23

【動画解説】法律 辻説法

【問 23】 令和2年中に、個人が居住用財産を譲渡した場合における譲渡所得の課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 令和2年1月1日において所有期間が10年以下の居住用財産については、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条第1項)を適用することができない。

2 令和2年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産について、収用交換等の場合の譲渡所得等の5,000万円特別控除(租税特別措置法第33条の4第1項)の適用を受ける場合であっても、特別控除後の譲渡益について、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(同法第31条の3第1項)を適用することができる。

3 令和2年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産について、その譲渡した時にその居住用財産を自己の居住の用に供していなければ、居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例を適用することができない。

4 令和2年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産について、その者と生計を一にしていない孫に譲渡した場合には、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除を適用することができる。

【解答及び解説】

【問 23】 正解 2

1 誤り。居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除については、所有期間に関する要件はなく、10年以下の居住用財産についても適用することができる。
*租税特別措置法第35条第1項

2 正しい。収用交換等の場合の譲渡所得等の5,000万円特別控除と居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は、両方の要件を満たせば、重複して適用することができる。
*租税特別措置法第31条の3第1項

3 誤り。居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることができる「居住用財産」は、現に居住しているものだけでなく、居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されるものであれば、含まれる。
*租税特別措置法第31条の3第2項2号

4 誤り。居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除は、当該個人と政令で定める特別の関係がある者に対する譲渡については適用されない。具体的には、1.当該個人の配偶者及び直系血族、2.当該個人の親族で当該個人と生計を一にしているものなどがそれに該当する。したがって、孫のような直系血族については、生計を一にしていなくても、「当該個人と政令で定める特別の関係がある者」に該当し、居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除は適用されない。
*租税特別措置法施行令23条2項


【解法のポイント】肢4は過去問で出題されていると思いますが、ちょっと難しい。しかし、正解肢の肢2はできないといけません。所得税は、久しぶりの出題でしたね。