下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成23年 問10
【問 10】 AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 AとBが婚姻した場合、AのBに対する借入金債務は混同により消滅する。
2 AがCと養子縁組をした場合、CはAのBに対する借入金債務についてAと連帯してその責任を負う。
3 Aが死亡し、相続人であるDとEにおいて、Aの唯一の資産である不動産をDが相続する旨の遺産分割協議が成立した場合、相続債務につき特に定めがなくても、Bに対する借入金返済債務のすべてをDが相続することになる。
4 Aが死亡し、唯一の相続人であるFが相続の単純承認をすると、FがBに対する借入金債務の存在を知らなかったとしても、Fは当該借入金債務を相続する。
【解答及び解説】
【問 10】 正解 4
1 誤り。債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、混同により消滅するが、債権者と債務者が婚姻したからといって債権が消滅するわけではない。
*民法520条
2 誤り。養子縁組により養子になったからといって、養親の借入金債務について連帯責任を負うことはない。
3 誤り。相続債務について特に定めをしなかったわけであるから、遺産分割協議によりAの唯一の資産である不動産をDが相続することになったからといって、Dが借入金返済債務のすべてを相続する事になるわけではない。
4 正しい。相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。したがって、相続人が借入金債務の存在を知らなかったとしても、相続人は借入金債務を相続する。
*民法920条
【解法のポイント】一見難しそうな感じの問題ですが、常識的に判断しても正解にはたどり着ける問題です。