下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成22年 問23
【問 23】 特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例(60歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税の選択を可能とする措置)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 60歳未満の親から住宅用家屋の贈与を受けた場合でも、この特例の適用を受けることができる。
2 父母双方から住宅取得のための資金の贈与を受けた場合において、父母のいずれかが60歳以上であるときには、双方の贈与ともこの特例の適用を受けることはできない。
3 住宅取得のための資金の贈与を受けた者について、その年の所得税法に定める合計所得金額が2,000万円を超えている場合でも、この特例の適用を受けることができる。
4 相続時精算課税の適用を受けた贈与財産の合計額が2,500万円以内であれば、贈与時には贈与税は課されないが、相続時には一律20%の税率で相続税が課される。
【解答及び解説】
【問 23】 正解 3
1 誤り。相続時精算課税は、どのような財産の贈与を受けた場合でも適用されるが、贈与者は60歳以上でなければならない。ところが、相続時精算課税でも、住宅取得等「資金」の贈与を受けた場合の特例については、贈与者の60歳以上という要件が外され、年齢制限がなくなる。本肢は、住宅取得等「資金」ではなく、住宅用家屋の贈与を受けた場合であるから、贈与者の年齢制限が適用され、贈与者は60歳以上でなければならない。
*租税特別措置法70条の3第1項
2 誤り。相続時精算課税は、贈与者である親ごとに適用され、また住宅取得等資金の贈与を受けた場合の特例については贈与者の年齢制限はないので、父母のいずれかが60歳以上であるからといって、双方の贈与とも、この特例の適用を受けることはできないということはない。
*租税特別措置法70条の3第1項
3 正しい。この特例の適用を受けるためには、所得制限はないので、その年の合計所得金額が2,000万円を超えている場合でも、この特例の適用を受けることができる。
*租税特別措置法70条の3第3項1号
4 誤り。前半の相続時精算課税の適用を受ける場合、2,500万円までは非課税であるという部分は正しいが、この2,500万円の非課税枠を超える部分については、一律20%の税率で贈与税が課税される。そして、相続時は、この贈与財産を相続財産に加算し、通常の相続税額(税率10%~50%)を計算するので、相続時には一律20%の税率にはならない。
*相続税法16条
【解法のポイント】税法は、やはり改正部分が出題されます。本問の「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例」も今年からその仕組みが変わった部分です。税法は、気持ちいいくらい改正部分が速攻で出題されますね。