下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成22年 問14
【問 14】 不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。
2 登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。
3 登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することもできる。
4 送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。
【解答及び解説】
【問 14】 正解 1
1 誤り。何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記記録に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面(登記事項証明書)の交付を請求することができる旨の規定はあるが、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる旨の規定はない。
*不動産登記法119条1項
2 正しい。何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記事項証明書の交付を請求することができる。登記事項証明書の交付の請求には、利害関係というのは不要である。
*不動産登記法119条1項
3 正しい。交付を請求することができる登記事項証明書の種類として、「現在事項証明書」というのがあり、これには「登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するもの」が記載される。
*不動産登記規則196条1項2号
4 正しい。送付の方法による登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。つまり、インターネットによる登記事項証明書の交付請求である。この場合には、登記事項証明書をインターネットで請求し、紙の登記事項証明書が郵送されてくる。
*不動産登記規則194条3項
【解法のポイント】この問題は、まさに実務的な問題といえると思います。不動産業に携わっていますと、必ず登記事項証明書を取る機会が出てきますが、実際にこれを経験している人には比較的分かりやすい問題で、本でだけ勉強している人には、本問の知識は全くなかったと思います。ただ、肢1はクセ者で、「インターネットで見られる」と単純に考えてはダメです。解説にも書いてあるように、いくらインターネットが利用されているとはいえ、「電磁的記録をもって作成された登記事項証明書」つまりデータそのものをダウンロードできるということはありません。その意味では、実務に携わっている人でも間違えた人もいたのではないかと思います。