下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成20年 問34

【問 34】 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県内に本店Xと支店Yを設置して、額面金額1,000万円の国債証券と500万円の金銭を営業保証金として供託して営業している。この場合の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、本店Xと支店Yとでは、最寄りの供託所を異にする。

1 Aが新たに支店Zを甲県内に設置したときは、本店Xの最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託すれば、支店Zでの事業を開始することができる。

2 Aが、Yを本店とし、Xを支店としたときは、Aは、金銭の部分に限り、Yの最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。

3 Aは、額面金額1,000万円の地方債証券を新たに供託すれば、既に供託している同額の国債証券と変換することができる。その場合、遅滞なく、甲県知事に営業保証金の変換の届出をしなければならない。

4 Aは、営業保証金の還付が行われ、営業保証金が政令で定める額に不足することになったときは、その旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければ、免許取消の処分を受けることがある。

【解答及び解説】

【問 34】 正解 4

1 誤り。宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに事務所を設置したときは、当該事務所につき事務所ごとに50万円の営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託し、その旨を免許権者に届け出なければ事業を開始することができない。単に供託するだけではなく、供託した旨の届出が必要となる。
*宅地建物取引業法26条

2 誤り。宅地建物取引業者は、その主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更した場合において、金銭及び有価証券で営業保証金を供託しているときは、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所の最寄りの供託所に新たに供託しなければならない。金銭の部分のみについて保管替えの請求をすることはできない。
*宅地建物取引業法29条

3 誤り。地方債証券の評価額は、その額面金額の100分の90になるので、1,000万円の地方債証券の供託では不足になる。したがって、この場合国債証券との変換をすることはできない。
*宅地建物取引業法施行規則15条1項2号

4 正しい。宅地建物取引業者は、営業保証金の還付がなされたため、営業保証金が政令で定める額に不足することとなったときは、その旨の通知書の送付を受けた日から2週間以内にその不足額を供託しなければならない。この規定に違反すれば業務停止処分に処せられるが、情状が重い場合は、免許取消処分を受けることもある。
*宅地建物取引業法66条1項9号


【解法のポイント】今年の宅建業法は何か細かいひっかけが多いですよね。肢1などもうっかり引っかかってしまいそうです。