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宅建 過去問解説 平成19年 問45

【問 45】 宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士証、従業者証明書、従業者名簿、帳簿及び標識に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 宅地建物取引業者の従業者は、宅地建物取引業者が発行する従業者証明書をその業務に従事する間、常に携帯し、取引の関係者から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、従業者が宅地建物取引士である場合は、宅地建物取引士証の提示をもってこれに代えることができる。

2 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに従業者名簿を備え、取引の関係者から請求があったときは、当該名簿をその者の閲覧に供しなければならないが、当該名簿を事務所のパソコンのハードディスクに記録しディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできる。

3 宅地建物取引業者は、その事務所ごとにその業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、所定の事項を記載しなければならないが、当該帳簿の記載事項を事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンタを用いて紙面に印刷することが可能な環境を整えることで、当該帳簿への記載に代えることができる。

4 宅地建物取引業者は、売主として一団の宅地建物の分譲を当該物件から約500m離れた駅前に案内所を設置して行う場合、当該物件の所在する場所及び案内所のそれぞれに、免許証番号、主たる事務所の所在地等の所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない。

【解答及び解説】

【問 45】 正解 1

1 誤り。宅地建物取引業者の従業者は、従業者証明書を常に携帯し、取引の関係者から請求があったときは、提示しなければならないという前半は正しい。しかし、従業者証明書の提示を、宅地建物取引士証の提示をもってこれに変えることはできない。
*宅地建物取引業法48条1項・2項

2 正しい。宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があったときは、その事務所ごとに、従業者名簿を備え、従業者名簿をその者の閲覧に供しなければならない。この従業者名簿は、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク(パソコンのハードディスク)に記録し、閲覧は、当該ファイル又は磁気ディスクに記録されている事項を紙面又は入出力装置の映像面(ディスプレイ)に表示する方法で行うことができる。
*宅地建物取引業法48条3項・4項、同法施行規則17条の2第3項

3 正しい。宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、一定の事項を記載しなければならない。そしてこの帳簿は、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスクに記録され、必要に応じ当該事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができる。
*宅地建物取引業法49条、同法施行規則18条2項

4 正しい。宅地建物取引業者は、一定の場所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げなければならないが、この掲示が必要な場所として、「宅地建物取引業者が一団の宅地建物の分譲をする場合における当該物件の所在する場所」と「宅地建物取引業者が一団の宅地建物の分譲を案内所を設置して行う場合の案内所」がある。
*宅地建物取引業法50条、同法施行規則19条1項


【解法のポイント】正解肢の肢1の従業者証明書の提示を、宅地建物取引士証の提示をもって代えることはできないというのは、過去問に出題されています。肢2と肢3は、いかにも現代的な問題ですが、内容的にはたいしたことはないでしょう。