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宅建 過去問解説 平成18年 問40

【問 40】 宅地建物取引業者が行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。

1 建物の販売に際して、利益を生ずることが確実であると誤解させる断定的判断を提供する行為をしたが、実際に売買契約の成立には至らなかった。

2 建物の販売に際して、不当に高額の報酬を要求したが、実際には国土交通大臣が定める額を超えない報酬を受け取った。

3 建物の販売に際して、手付について貸付けをすることにより売買契約の締結の誘引を行ったが、契約の成立には至らなかった。

4 建物の販売に際して、当該建物の売買契約の締結後、既に購入者に対する建物引渡債務の履行に着手していたため、当該売買契約の手付放棄による解除を拒んだ。

【解答及び解説】

【問 40】 正解 4

1 違反する。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはならない。これは断定的判断を提供する行為自体を禁止するものであり、その結果売買契約が成立するか否かを問わない。
*宅地建物取引業法47条の2第1項

2 違反する。宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、不当に高額の報酬を要求する行為をしてはならない。これは不当に高額の報酬を要求する行為自体が禁止されるものである。
*宅地建物取引業法47条2号

3 違反する。宅地建物取引業者は、その業務に関して、宅地建物取引業者の相手方等に対し、手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為をしてはならない。これも信用を供与することにより契約の締結を誘引する行為自体を禁止するものであり、契約の成立に至るかどうかを問わない。
*宅地建物取引業法47条3号

4 違反しない。宅地建物取引業者が、その相手方等が手付を放棄して契約の解除を行うに際し、正当な理由なく、当該契約の解除を拒み、又は妨げることは禁止されているが、本肢は売主である宅地建物取引業者は履行に着手しており、買主の手付放棄による解除を拒むことは、宅地建物取引業者に「正当な理由」があり、宅地建物取引業法に違反しない。
*宅地建物取引業法施行規則16条の12第3号


【解法のポイント】肢1から肢3までは、過去に何度も出題されている条文です。肢4は考えさせる問題ですが、解約手付に関する基本的な知識があれば、解ける問題であり、全体として平易な問題です。