下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成17年 問45

【問 45】 宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に加入した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aが保証協会に加入する前に、Aと宅地建物取引業に関し取引をした者は、弁済業務保証金について弁済を受けることができない。

2 Aは保証協会に加入した後に新たに事務所を開設したときは、その日から2週間以内に、営業保証金500万円を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。

3 Aがその一部の事務所を廃止したため、保証協会が弁済業務保証金分担金をAに返還しようとするときは、保証協会は、弁済業務保証金の還付請求権者に対し、一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨の公告を行う必要はない。

4 Aが、保証協会から弁済業務保証金の還付に係る還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた日から2週間以内に、通知された額の還付充当金を保証協会に納付しない場合、保証協会は納付をすべき旨の催告をしなければならず、催告が到達した日から1月以内にAが納付しない場合は、Aは社員としての地位を失う。

【解答及び解説】

【問 45】 正解 3

1 誤り。宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、弁済業務保証金について弁済を受ける権利を有する。そして、この保証協会の社員と取引した者の中には、宅地建物取引業者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者も含まれる。
*宅地建物取引業法64条の8第1項

2 誤り。宅地建物取引業保証協会の社員は、保証協会に加入後に、新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に、政令で定める額(30万円)の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。
*宅地建物取引業法64条の9第2項

3 正しい。宅地建物取引業保証協会は、社員が社員の地位を失ったときは、還付請求権者に対し、6月を下らない一定期間内に認証を受けるため申し出るべき旨を公告しなければならないという規定はあるが、一部の事務所を廃止したため、超過した弁済業務保証金分担金を返還する場合に公告を要する旨の規定はなく、公告は不要である。
*宅地建物取引業法64条の11第4項

4 誤り。宅地建物取引業保証協会は、弁済業務保証金の還付があつたときは、社員に対し還付充当金を宅地建物取引業保証協会に納付すべきことを通知しなければならず、この通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、還付充当金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。そして、還付充当金を納付しないときは、社員の地位を失う。
*宅地建物取引業法64条の10


【解法のポイント】肢3ですが、これは混乱しやすいところです。営業保証金の場合は、一部の事務所の廃止の場合には、公告が必要であるのに対し、弁済業務保証金の場合は、同じ一部の事務所の廃止の場合であっても、公告は不要となっています。理由がよく分からないので、ここは割り切って覚えるしかないと思います。