下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成17年 問30

【問 30】 宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 Aの所有するオフィスビルを賃借しているBが、不特定多数の者に反復継続して転貸する場合、AとBは免許を受ける必要はない。

2 建設業の許可を受けているCが、建築請負契約に付随して、不特定多数の者に建物の敷地の売買を反復継続してあっせんする場合、Cは免許を受ける必要はない。

3 Dが共有会員制のリゾートクラブ会員権(宿泊施設等のリゾート施設の全部又は一部の所有権を会員が共有するもの)の売買の媒介を不特定多数の者に反復継続して行う場合、Dは免許を受ける必要はない。

4 宅地建物取引業者であるE(個人)が死亡し、その相続人FがEの所有していた土地を20区画に区画割りし、不特定多数の者に宅地として分譲する場合、Fは免許を受ける必要はない。

【解答及び解説】

【問 30】 正解 1

1 正しい。自ら貸借することは宅地建物取引業に該当しない。これは、転貸する場合でも同様である。したがって、AもBも宅地建物取引業の免許を受ける必要はない。
*宅地建物取引業法2条2号

2 誤り。不特定多数の者を相手に、反復継続して宅地建物の売買の媒介をすることは宅地建物取引業に該当する。これは、建築請負契約に付随して行われる場合でも同様である。
*宅地建物取引業法2条2号

3 誤り。2肢で述べたように宅地建物の売買の媒介は宅地建物取引業に当たるが、リゾートクラブ会員権も宅地建物の共有権であり、宅地建物であることに変りはないので、本肢のDは免許を受ける必要がある。
*宅地建物取引業法2条2号

4 誤り。宅地建物取引業者が死亡した場合、相続人のような一般承継人は、当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる。しかし、本肢のように新たに土地を区画割りし、不特定多数の者に宅地として分譲する場合は、Fは免許を受ける必要がある。
*宅地建物取引業法76条


【解法のポイント】本問は、免許の問題としては、ごく普通のものだったと思いますが、肢3が目新しい問題ですね。ただ、この肢は、「施設の全部又は一部の所有権を会員が共有」すると書いてくれています。つまり、建物の共有権だというわけです。ならば、建物の場合に当たるということで理解できると思います。ちなみに、この肢3と類似の問題が、その後の本試験でも出題されています。