下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成17年 問12

【問 12】 遺言及び遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。

1 自筆証書による遺言をする場合、証人二人以上の立会いが必要である。

2 自筆証書による遺言書を保管している者が、相続の開始後、これを家庭裁判所に提出してその検認を経ることを怠り、そのままその遺言が執行された場合、その遺言書の効力は失われる。

3 適法な遺言をした者が、その後更に適法な遺言をした場合、前の遺言のうち後の遺言と抵触する部分は、後の遺言により取り消したものとみなされる。

4 法定相続人が配偶者Aと子Bだけである場合、Aに全財産を相続させるとの適法な遺言がなされた場合、Bは遺留分権利者とならない。

【解答及び解説】

【問 12】 正解 3

1 誤り。自筆証書遺言をするには、証人は不要である。遺言をするのに証人が必要なのは、公正証書遺言である。
*民法968条

2 誤り。検認は、遺言書が、真実、遺言者の作成によるものかどうかを確認するための手続であり、公正証書遺言を除くすべての遺言書で必要とされる。したがって、自筆証書遺言は、検認の手続が必要となるが、検認の手続を行なわなかったとしても、過料に処せられることはあっても、遺言の効力が失われることはない。
*民法1004条

3 正しい。前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。いわゆる法定撤回である。
*民法1023条1項

4 誤り。兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分を受ける権利を有する。したがって、子であるBは遺留分権利者である。これは、たとえ遺留分を侵害する遺言により、法定相続人が相続する場合でも同様である。
*民法1028条


【解法のポイント】正解肢の肢3の法定撤回は、以前にも出題されてことがあります。過去問は繰り返されますね。