下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成15年 問44

【問 44】 宅地建物取引業者Aが、単独で又は宅地建物取引業者Bと共同して店舗用建物の賃貸借契約の代理又は媒介業務を行う際の報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、消費税及び地方消費税に関しては考慮しないものとする。

1 Aが、単独で貸主と借主双方から媒介を依頼され契約を成立させた場合、双方から受けることができる報酬額の合計は借賃の1ヵ月分以内である。

2 Aが、単独で貸主と借主双方から媒介を依頼され1ヵ月当たり借賃50万円、権利金1,000万円(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないもの)の契約を成立させた場合、双方から受けることのできる報酬額の合計は50万円以内である。

3 Aが貸主から代理を依頼され、Bが借主から媒介を依頼され、共同して契約を成立させた場合、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の1ヵ月分の報酬額を受けることができる。

4 Aが貸主から、Bが借主からそれぞれ媒介を依頼され、共同して契約を成立させた場合、Aは貸主から、Bは借主からそれぞれ借賃の、1ヵ月分の報酬額を受けることができる。

【解答及び解説】

【問 44】 正解 1

1 正しい。宅地建物取引業者が居住用以外の建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の金額以内とする。
*宅地建物取引業法46条、告示第4

2 誤り。建物(居住の用に供する建物を除く)の賃貸借で権利金(権利金その他いかなる名義をもってするかを問わず、権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう)の授受があるものの代理又は媒介に関して依頼者から受ける報酬の額については、当該権利金の額を売買に係る代金の額とみなして、計算することができる。したがって、本肢の権利金1,000万円を売買代金とみなすと、依頼者の一方から受領することができる報酬額は、
1,000万円×3%+6万円=36万円、となる。
この金額を貸主・借主双方が受領すると、36万円×2=72万円となる。
*宅地建物取引業法46条、告示第6

3 誤り。肢1で述べたように、宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額の合計額は、当該宅地又は建物の借賃の1月分の金額以内となる。そして、複数の業者が取引に関与した場合でも、すべての業者が受領する報酬額の合計は、借賃の1月分の金額以内となる。
*宅地建物取引業法46条、告示第4

4 誤り。肢3の解説参照。
*宅地建物取引業法46条、告示第4


【解法のポイント】この問題は、肢1がいきなり正解で、そんなに難しい肢ではないので、ちょっとビックリしますが、こういうときでも、時間的に余裕があれば、肢2以下も確認のため解くようにして下さい。