下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成15年 問6

【問 6】 普通抵当権と元本確定前の根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 普通抵当権でも、根抵当権でも、設定契約を締結するためには、被担保債権を特定することが必要である。

2 普通抵当権でも、根抵当権でも、現在は発生しておらず、将来発生する可能性がある債権を被担保債権とすることができる。

3 普通抵当権でも、根抵当権でも、被担保債権を譲り受けた者は、担保となっている普通抵当権又は根抵当権を被担保債権とともに取得する。

4 普通抵当権でも、根抵当権でも、遅延損害金については、最後の2年分を超えない利息の範囲内で担保される。

【解答及び解説】

【問 6】 正解 2

1 誤り。普通抵当権においては、設定契約を締結するためには、被担保債権を特定する必要がある。しかし、根抵当権の設定契約を締結するためには、被担保債権を特定する必要はない。もともと根抵当権は、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためのものであるからである。
*民法398条の2第1項

2 正しい。普通抵当権においては、それが特定できるものであれば、将来発生する債権を被担保債権としてもよい。また、根抵当権は、もともと一定の範囲に属する不特定の債権を担保するために設定するものであり、一定の範囲に属する債権であれば、将来発生する債権であっても、被担保債権とすることができる。
*民法398条の2第1項

3 誤り。普通抵当権においては、随伴性があるので、被担保債権を譲り受けた者は、抵当権も取得する。しかし、根抵当権においては、個々の債権との随伴性が認められておらず、被担保債権を譲り受けても根抵当権を取得することはできない。
*民法398条の7第1項

4 誤り。普通抵当権においては、遅延損害金は最後の2年分に限定されるが、根抵当権においては、極度額の範囲内であれば、遅延損害金は最後の2年分に限定されない。


【解法のポイント】普通抵当権と根抵当権の相違に関する問題です。根抵当権というのは、何年かに1回の割合で出題される範囲ですが、苦手にしている人もいるのではないかと思います。本問を、キッカケに、普通抵当権と根抵当権の違いをまとめてみれば、苦手の克服になるかもしれません。