下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成14年 問31

【問 31】 宅地建物取引士と宅地建物取引士証に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定に違反しないものはどれか。

1 Aは、専任の宅地建物取引士として従事していた宅地建物取引業者B社を退職し、宅地建物取引業者C社に専任の宅地建物取引士として従事することとなり、B社は宅地建物取引業者名簿登載事項の変更の届出をAの退職から半年後に、C社はAの就任から10日後に当該届出を行った。

2 Dは、宅地建物取引業者が業務に関し展示会を実施する場所であって、宅地又は建物の売買の契約を締結する国土交通省令で定める場所(業務に従事する者11名)における唯一の専任の宅地建物取引士である。

3 Eは、自らが有する宅地建物取引士証の有効期間が満了して半年になるが、宅地建物取引士資格登録をしている都道府県知事が指定する講習を受講したので、当該宅地建物取引士証の更新の申請をせず、宅地建物取引士としてすべき事務を行っている。

4 Fは、宅地建物取引士として宅地の売買に係る法第37条の書面の交付を買主に対して行い、その際、買主から宅地建物取引士証の提示を求められたが、法35条の重要事項の説明を行う際に提示していたので、これを拒んだ。

【解答及び解説】

【問 31】 正解 2

1 違反する。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者名簿の記載事項について変更があった場合においては、30日以内に、その旨をその免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。したがって、C社の変更の届出は宅地建物取引業法に違反しないが、Aの変更の届出は違反する。
*宅地建物取引業法9条

2 違反しない。宅地建物取引業者が業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場所においては、業務に従事する者の数に関係なく、1名の専任の宅地建物取引士を設置すればよい。
*宅地建物取引業法施行規則6条の3

3 違反する。宅地建物取引士としてすべき事務を行うには、宅地建物取引士証交付を受けていなければならず、単に都道府県知事が指定する講習を受講しているだけでは不十分である。
*宅地建物取引業法22条の3

4 違反する。宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
*宅地建物取引業法22条の4


【解法のポイント】肢4は、37条書面の交付の際には、重要事項の説明の場合とは異なり、宅地建物取引士証の提示は義務付けられていないが、それとは別に「取引の関係者から請求があった」場合として、宅地建物取引士証の交付が必要です。ちなみに、この「取引の関係者から請求があった」場合に宅地建物取引士証を提示しなかったとしても、宅地建物取引業法には違反しますが、罰則はありません。