下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成13年 問50

【問 50】 建築材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 常温常圧において、鉄筋と普通コンクリートを比較すると、温度上昇に伴う体積の膨張の程度(熱膨張率)は、ほぼ等しい。

2 コンクリートの引張強度は、一般に圧縮強度の1/10程度である。

3 木材に一定の力をかけたときの圧縮に対する強度は、繊維方向に比べて繊維に直角方向のほうが大きい。

4 木材の辺材は、心材より腐朽しやすい。

【解答及び解説】

【問 50】 正解 3

1 正しい。常温常圧において、鉄筋と普通コンクリートは、温度上昇に伴う体積の膨張の程度(熱膨張率)は、ほぼ等しい。したがって、鉄筋コンクリートの素材である鉄筋とコンクリートは非常に相性がよい。

2 正しい。コンクリートの引張強度は、一般に圧縮強度の1/10程度である。要するに、コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱い。

3 誤り。木材に一定の力をかけたときの圧縮に対する強度は、繊維に直角方向に比べて繊維方向のほうが大きい。問題文は、逆の記述になっている。

4 正しい。木材の辺材は、やわらかく心材より腐朽しやすい。また、心材は、辺材に囲まれた木材中央部で、色が濃く材質は硬い。


【解法のポイント】肢1と肢2は、鉄筋コンクリート造の特徴を聞いています。鉄筋コンクリート造は、コンクリートの中に鉄筋を入れて補強したものです。この鉄筋コンクリート造は非常によく使われる構造ですが、これは鉄筋コンクリート造の素材である鉄筋とコンクリートが互いの長所が欠点を補い、非常に相性がいいことがその理由です。つまり、コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱い。逆に、鉄筋は引っ張り強く、圧縮に弱い。鉄筋コンクリートは、引張力が働いたときは、鉄筋が頑張り、逆に圧縮力が働いたときはコンクリートが頑張ります。そして、肢1にあるように鉄筋とコンクリートは、熱膨張力がほぼ等しい、つまり同じように膨張するため、ズレることなく強度を保ちます。