下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成13年 問11

【問 11】 被相続人Aの相続人の法定相続分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 AとBが婚姻中に生まれたAの子Cは、AとBの離婚の際、親権者をBと定められたが、Aがその後再婚して、再婚にかかる配偶者がいる状態で死亡したときは、Cには法定相続分はない。

2 Aに実子がなく、3人の養子がいる場合、法定相続分を有する養子は2人に限られる。

3 Aが死亡し、配偶者D及びその2人の子供E、Fで遺産分割及びそれに伴う処分を終えた後、認知の訴えの確定により、さらに嫡出でない子Gが1人いることが判明した。Gの法定相続分は1/6である。

4 Aに子が3人あり、Aの死亡の際、2人は存命であったが、1人は既に死亡していた。その死亡した子には2人の嫡出子H、Iがいた。A死亡の際、配偶者もいなかった場合、Hの法定相続分は1/6である。

【解答及び解説】

【問 11】 正解 3及び4

1 誤り。CはAとBが婚姻中に生まれた子であり、Aの子である。AとBが離婚の際に親権者がBと定められていても同様である。したがって、Aに再婚にかかる配偶者がいる場合でも、Cには法定相続分はある。
*民法887条1項

2 誤り。実子と養子との間に、相続の順位について特に区別はなく、法定相続分を有する養子が2人に限られるとする規定はない。
*民法887条1項

3 正しい。嫡出子と非嫡出子の相続分は同じであるから、子全体の相続分である1/2を嫡出子E・F及び非嫡出子Gが分けると、Gの相続分は1/6となる。ただ、本問では、他の共同相続人が既にその遺産分割をしており、相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合であるから、価額のみによる支払の請求権を有するにすぎない。(民法910条)。
※法改正による訂正済み
*民法900条4号

4 正しい。代襲相続により相続人となる者が複数いる場合は、被代襲者が受けるべき相続分をさらに人数分で割ったものとなる。したがって、Hの相続分は、被代襲者であるHの父が受けるべき相続分である1/3をIと分け合うので、1/6となる。
*民法901条1項


【解法のポイント】肢4の代襲相続の問題は、単純にAの子2人と、H及びIで単純に割って、1/4としないようにして下さい。

【追加】肢3は従来は「誤り」の肢として出題されていましたが、平成25年12月11日法改正により、「正しい」肢となり、問題全体として、肢3と肢4の両方を正解としています。