下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成12年 問50

【問 50】 建築物に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 組積造の建築物のはね出し窓又ははね出し線は、鉄骨又は鉄筋コンクリートで補強しなければならない。

2 鋳鉄は、曲げ、引張り等の強度が低いため、建築物の材料としては一切使用してはならない。

3 木造建築物の継手及び仕口は、外部に露出しているため意匠の面を最も重視しなければならない。

4 木造建築物の柱は、張り間方向及びけた行方向それぞれについて小径を独立に算出したうえで、どちらか大きな方の値の正方形としなければならない。

【解答及び解説】

【問 50】 正解 1

1 正しい。組積造のはね出し窓又ははね出し縁は、鉄骨又は鉄筋コンクリートで補強しなければならない。
*建築基準法施行令57条4項

2 誤り。鋳鉄は、圧縮応力又は接触応力以外の応力が存在する部分には、使用してはならない。しかし、建築物の材料として一切使用してはならないわけではない。
*建築基準法施行令64条2項

3 誤り。構造耐力上主要な部分である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他の国土交通大臣が定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。外部に露出しているからといって、意匠の面を最も重視しなければならないということはない。
*建築基準法施行令47条1項

4 誤り。構造耐力上主要な部分である柱の張り間方向及びけた行方向の小径は、一定割合以上のものでなければならない。どちらか大きな値の正方形としなければならない、という規定はない。
*建築基準法施行令43条1項


【解法のポイント】建物に関する問題も、大変ですよね。知識としてこの問題を全部知っている人はいないでしょう。ということで、知らないなりに、どういうふうに考えればよいか、ちょっとシュミレーションしてみましょう。肢1はちょっと「?」で保留という感じ。肢2は、「一切」というのがあやしいので、「誤り」くさい。肢3は常識的に意匠(デザイン)を「最も」重視するというのは、「誤り」かな。肢4は、もう「?」。で、答えは肢1か肢4のどちらか、ではないか、と思った方が多いのではないかと思います。肢1は、はね出し窓又ははね出し線は、なんか構造的に弱そうだから、補強が必要な気がしますよね。で、正解は肢1といってほしいところです。こういう問題は、間違えても合否には影響しない問題です。したがって、気楽に自分なりに常識を働かしてみて下さい。