下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成11年 問12

【問 12】 不動産登記の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 地表面が水で覆われている土地であっても、私権の客体となり得る池沼・ため池は、土地の表示の登記をすることができる。

2 海面下に没する土地であっても、干潮時に陸地になる土地であれば、すべて土地の表示の登記をすることができる。

3 建物は、必ずしも土地に定着していることを要しないので、容易に運搬することができる切符売場・入場券売場も、建物の表示の登記をすることができる。

4 建築工事中の建物については、仕組みを済ませ、降雨をしのぐことができる程度の屋根をふいたものであれば、周壁を有しなくても、建物の表示の登記をすることができる。

【解答及び解説】

【問 12】 正解 1

1 正しい。登記の対象となり得る土地の地目は、土地の主たる用途により、田、畑、宅地、池沼、山林、ため池などに区分して定めるものとされている。したがって、私権の客体となり得る池沼・ため池は、土地の表示の登記をすることができる。
*不動産登記規則99条

2 誤り。海面下にある土地は、登記することはできないが、海面の潮の干潮によって海面下に没する土地はどうなるか問題となる。登記先例では、春分、秋分における満潮時を基準に、その時に海面下に没する土地は、登記をすることはできないとしている。

3 誤り。建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。したがって、容易に運搬できる切符売場・入場券売場は、建物の表示の登記をすることはできない。
*不動産登記規則111条

4 誤り。肢3で解説したように、建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有するものでなければならない。したがって、周壁を有しなければ、建物の表示の登記をすることはできない。
*不動産登記規則111条


【解法のポイント】宅建試験の問題としては、「う~ん」とうなるしかない問題だと思います。あまり気にする必要はない問題だと思いますが、正解肢である肢1の土地の地目については、一度目を通しておいた方がよいと思いますので、紹介しておきます。ただ、あまり神経質に覚える必要はないと思いますよ。「」を付けた部分に注意しておいて下さい。

★ 土地の地目
「田」、「畑」、「宅地」、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、「池沼」、「山林」、牧場、「原野」、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、「ため池」、「堤」、井溝、保安林、公衆用道路、「公園」及び「雑種地」