下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成11年 問3

【問 3】 相続に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 相続開始の時において相続人が数人あるとき、遺産としての不動産は、相続人全員の共有に属する。

2 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができ、また相続開始の時から5年を超えない期間内で遺産の分割を禁ずることもできる。

3 遺産の分割について共同相続人間に協議が調わないとき、各共同相続人は、その分割を、相続開始地の地方裁判所に請求することができる。

4 相続開始の時から3年以上経過した後に遺産の分割をしたときでも、その効力は、第三者の権利を害しない範囲で、相続開始の時にさかのぼって生ずる。

【解答及び解説】

【問 3】 正解 3

1 正しい。相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
*民法898条

2 正しい。被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることができる。また、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
*民法908条

3 誤り。遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。地方裁判所ではない。
*民法907条2項

4 正しい。遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
*民法909条


【解法のポイント】肢1は、その後また出題されていますので、覚えておいて下さい。肢2は、共有物の不分割特約の、遺産分割版です。肢3の地方裁判所ではなく家庭裁判所だというのは、相続の承認・放棄の取消でも出題されています。