下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成10年 問7

【問 7】 Aが、A所有の土地をBに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 AのBに対する売却の意思表示がCの詐欺によって行われた場合で、BがそのCによる詐欺の事実を知り、又は知ることができたとき、Aは、売却の意思表示を取り消すことができる。

2 AのBに対する売却の意思表示がBの強迫によって行われた場合、Aは、売却の意思表示を取り消すことができるが、その取消しをもって、Bからその取消し前に当該土地を買い受けた善意のDには対抗できない。

3 Aが、自分の真意ではないと認識しながらBに対する売却の意思表示を行った場合で、BがそのAの真意を知っていたとき、Aは、売却の意思表示の無効を主張できる。

4 Aが、A所有の土地をBに売却する契約を締結した。AのBに対する売却の意思表示につき法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものについて錯誤があった場合、Aは、売却の意思表示の取消しを主張できるが、Aに重大な過失があったときは、原則として取消しを主張できない。

【解答及び解説】

【問 7】 正解 2

1 正しい。第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
*民法96条2項

2 誤り。強迫による意思表示は、取り消すことができ、この取消は善意の第三者にも対抗できる。
*民法96条1項

3 正しい。意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても有効となる。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効となる。
*民法93条1項

4 正しい。意思表示は、法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものについて錯誤があったときは、取り消すことができる。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、原則として自らその取消しを主張することができない。
*民法95条3項


【解法のポイント】この問題は、意思表示に関する非常に基本的な問題です。特にコメントしなくても大丈夫だと思います。