下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成9年 問25

【問 25】 次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これらに類する施設をしなければならない。

2 鉄筋造の建築物でも、延べ面積が300㎡のものであれば、その設計図書の作成にあたって、構造計算により構造の安全性を確かめる必要はない。

3 住宅は、敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除くほか、その2以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない。

4 住宅の居室、学校の教室、病院の病室で地階に設けるものは、防火上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

【解答及び解説】

【問 25】 正解 1

1 正しい。条文そのままの問題。建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又はためますその他これらに類する施設をしなければならない。
*建築基準法19条3項

2 誤り。木造以外の建築物で2以上の階数を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものは、構造計算によって確かめられる安全性を有していなければならない。
*建築基準法20条2号イ

3 誤り。本問の出題当時は、「住宅は,敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除く他,その1以上の居室の開口部が日照を受けることができるものでなければならない。」(旧29条)という規定があったが、現在では、この規定は削除されている。なお、本肢は旧規定であったとしても誤りの肢である。
*建築基準法28条1項

4 誤り。住宅の居室、学校の教室、病院の病室又は寄宿舎の寝室で地階に設けるものは、壁及び床の防湿の措置その他の事項について衛生上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。
*建築基準法29条


【解法のポイント】肢3について、出題当時と建築基準法の条文がかなり変っています。現在では、採光について「住宅の居室にあっては、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は7分の1以上としなければならない。」という規定がありますが、こちらの方が重要であり、現に出題されています。「7分の1」という数字は必ず覚えておいて下さい。肢4についてですが、これは「防火上」→「衛生上」の誤りなんですが、最近この条文の趣旨の部分というか、どういう観点から規制されているかという点の出題が若干増える傾向にあります。勉強の際には、ちょっと気を付けて下さい。