下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成7年 問21

【問 21】 建築物の構造に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、建築基準法第38条(特殊の材料又は様法)の規定は、考慮に入れないものとする。

1 地階を除く階数が4以上である建築物、高さが16mを超える建築物は、常に主要構造部である壁を木造としてはならない。

2 建築物には、常に異なる構造方法による基礎を併用してはならない。

3 高さ13mを超える建築物で、その最下階の床面積1㎡につき100キロニュートンを超える荷重がかかるものの基礎ぐいの先端は、必ず良好な地盤に達していなければならない。

4 木造の建築物で階数が3であるものは、必ず構造計算によって、その構造が安全であることを確かめなければならない。

【解答及び解説】

【問 21】 正解 4

1 誤り。地階を除く階数が4以上である建築物、高さが16メートルを超える建築物等(その主要構造部(床、屋根及び階段を除く。)の政令で定める部分の全部又は一部に木材、プラスチックその他の可燃材料を用いたものに限る。)は、その主要構造部を通常火災終了時間が経過するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために主要構造部に必要とされる性能に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。ただし、その周囲に延焼防止上有効な空地で政令で定める技術的基準に適合するものを有する建築物については、この限りでない。つまり、例外も認められているのであり、「常に」木造にしてはならないということはない。
*建築基準法21条1項

2 誤り。建築物には、異なる構造方法による基礎を併用してはならない。しかし、この規定は建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、適用しない。「常に」という部分が誤り。
*建築基準法施行令38条2項・4項

3 誤り。高さ13m又は延べ面積3,000㎡を超える建築物で、当該建築物に作用する荷重が最下階の床面積1㎡につき100キロニュートンを超えるものにあっては、基礎の底部(基礎ぐいを使用する場合にあっては、当該基礎ぐいの先端)を良好な地盤に達することとしなければならない。しかし、この規定も建築物の基礎について国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、適用しない。「必ず」という部分が誤り。
*建築基準法施行令38条3項・4項

4 正しい。木造の建築物で3以上の階数を有し、又は延べ面積が500㎡、高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるものは(建築確認を要する木造建築物と同じ)、政令で定める基準に従った構造計算によって確かめなければならない。この規定についての例外はない。
*建築基準法20条2号イ


【解法のポイント】この問題は、ほとんどの受験生はお手上げではなかったと思います。すべての肢に「常に」「必ず」という文言があり、受験テクニックで、「常に」「必ず」があれば「誤り」とやっていたら、答えがなくなります。内容的にも、非常に細かい知識まで聞いている肢が多い。それでは、この過去問はどこまで勉強していればいいのでしょうか?肢1については、原則の内容と、「例外がある」という程度の知識、肢2については問題文の原則部分は繰り返し聞かれる可能性があります。肢3については細かすぎるので無視、肢4は原則の内容と「例外はない」という点を覚えておいて下さい。