下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成6年 問5

【問 5】 AのBに対する債務について、CがAの連帯保証人となるとともに、Aの所有地にBの抵当権を設定し、その登記をしたが、その後Aは、その土地をDに譲渡し、登記も移転した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

1 Aは、その土地をDに譲渡する際、B及びCに通知する必要はない。

2 Bは、抵当権を実行する際、あらかじめDに通知する必要はない。

3 CがDの取得前にBに弁済した場合、Cは、Aに対してBに代位することができるが、Dに対しては、代位の付記登記をしておかなければ、Bに代位することができない。

4 DがBに弁済した場合、Dは、A及びCに対してBに代位することができる。

【解答及び解説】

【問 5】 正解 3及び4

1 正しい。抵当権は、債務者又は第三者が債務の担保に供した不動産について、抵当権設定者に使用、収益、処分をさせ、債務が弁済されなかったときは、抵当権者が他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける担保物権である。したがって、Aは、B及びCに対して通知することなく、当該土地を自由に譲渡することができる。
*民法369条1項

2 正しい。以前は、抵当権者は抵当権を実行するには、第三取得者に対してその旨の通知が必要であったが、現在は法改正により、この通知は不要となっている。
*民法旧381条参照

3 誤り。保証人が弁済した場合、債務者に対して債権者に代位することができる。また、保証人は、債務者からの第三取得者に対しても債権者に代位することができ、このときに代位の付記登記をしなければならないという規定はない。
*民法501条1項

4 誤り。第三取得者は、保証人に対して債権者に代位しないので、DはAに対してはBに代位できるが、Cに対してはBに代位できない。
*民法501条3項1号


【法改正による変更】本問は、当初は肢3は「正しい」肢でしたが、法改正により、「代位の付記登記」は不要になったため、「誤り」に変更になり、正解は肢3と肢4の2つになりました。