下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成5年 問47

【問 47】 宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)甲の社員A(国土交通大臣免許)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、甲保証協会の社員となることによって営業保証金の供託義務を免除されるが、弁済業務保証金の還付可能額を増額するため、さらに乙保証協会の社員になることもできる。

2 Aが新たに従たる事務所を設置した場合、Aは、その日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を納付しないと、甲保証協会の社員たる地位を失うのみならず、国土交通大臣から業務停止処分を命ぜられることがある。

3 Aが従たる事務所を廃止した場合、Aは、当該弁済業務保証金の還付請求権者に対する公告を行えば、その事務所に係る政令で定める額の弁済業務保証金分担金の返還を、甲保証協会に対し請求することができる。

4 甲保証協会がAの取引に関し弁済業務保証金の還付を行った場合、Aは、甲保証協会の社員たる地位を失うとともに、その還付充当金の納付をしなければならない。

【解答及び解説】

【問 47】 正解 2

1 誤り。一の宅地建物取引業保証協会の社員である者は、他の宅地建物取引業保証協会の社員となることができない。したがって、Aは、乙保証協会の社員になることはできない。
*宅地建物取引業法64条の4

2 正しい。保証協会の社員は、弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならず、納付しないときは、その社員たる地位を失う。そして、この規定に違反したときは、業務停止処分に処せられることがある。
*宅地建物取引業法64条の9第2項・3項、65条2項2号

3 誤り。保証協会は、社員がその一部の事務所を廃止したため弁済業務保証金分担金の額が超過することになったときはその超過額に相当する額の弁済業務保証金を取り戻すことができる。さらに、保証協会は、弁済業務保証金を取りもどしたときは、当該社員に対し、その取りもどした額に相当する額の弁済業務保証金分担金を返還する。このときに、Aは還付請求権者に対する公告をすることを要しない。
*宅地建物取引業法64条の11第1項・2項

4 誤り。弁済業務保証金の還付があった旨の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に、その通知された額の還付充当金を保証協会に納付しなければならず、これに違反して還付充当金を納付しないときは、社員たる地位を失う。したがって、還付があっただけで社員の地位を失うということはなく、還付充当金を納付しないときにはじめて社員たる地位を失う。
*宅地建物取引業法64条の10


【解法のポイント】肢3は混乱しやすいところなので注意して下さい。営業保証金の還付の場合は、一部の事務所の廃止の場合にも、還付請求権者に対する公告が必要となりますが、弁済業務保証金の還付の場合は、同じ事務所の一部廃止の場合でも、還付請求権者に対する公告は必要ありません。これは、理由はよく分からないので、覚えておくしかないでしょう。