下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成5年 問40

【問 40】 宅地建物取引士Aが宅地建物取引業者Bに勤務する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aが住所を変更したときは、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。

2 Bの事務所の所在地が変更になった場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。

3 Bが廃業した場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは廃業の届出をしなければならない。

4 AがBの専任の宅地建物取引士となった場合、Aは変更の登録の申請を、また、Bは変更の届出をしなければならない。

【解答及び解説】

【問 40】 正解 3

1 誤り。宅地建物取引士Aの住所というのは、宅地建物取引士資格登録簿の記載事項ではあるが、宅地建物取引業者名簿の記載事項ではないので、Bは変更の届出をする必要はない。
*宅地建物取引業法8条2項6号、18条2項

2 誤り。宅地建物取引業者の事務所の所在地というのは、宅地建物取引業者名簿の記載事項であるから、Bは変更の届出をしなければならないが、宅地建物取引士登録簿の記載事項ではないので、Aは変更の登録の申請をする必要はない。
*宅地建物取引業法8条2項5号、同法施行規則第14条の2第1項5号

3 正しい。Bが廃業した場合、「宅地建物取引業者の業務に従事する者にあっては、当該宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号」というのは、宅地建物取引士資格登録簿の記載事項であるから、Aは変更の登録の申請をしなければならない。また、Bは廃業しているので、廃業の届出をしなければならない。
*宅地建物取引業法11条1項5号、同法施行規則第14条の2第1項5号

4 誤り。肢3で述べたように、「宅地建物取引業者の業務に従事する者にあっては、当該宅地建物取引業者の商号又は名称及び免許証番号」というのは、宅地建物取引士資格登録簿の記載事項であるが、このとき宅地建物取引士は、専任の宅地建物取引士として業務に従事しているか、専任以外の一般の宅地建物取引士として業務に従事しているかは関係なく、宅地建物取引士資格登録簿の記載事項となっている。したがって、「Aは変更の登録の申請をしなければならない」という部分は誤り。これに対して、宅地建物取引業者名簿の記載事項の中に「事務所ごとに置かれる専任の宅地建物取引士の氏名」というのがあり、ここで記載が要求されるのはあくまで、「専任」の宅地建物取引士の氏名である。したがって、AがBの一般の宅地建物取引士から専任の宅地建物取引士になったときは、Bは宅地建物取引業者名簿の変更の届出をする必要がある。したがって、本肢後半部分は正しい。
*宅地建物取引業法8条2項6号、同法施行規則第14条の2第1項5号


【解法のポイント】本問の中心である宅地建物取引業者名簿と宅地建物取引士資格登録簿の記載事項は、よく頭の中を整理しておいて下さい。そうでないと、本問のように同時に問われると困ると思います。基本的には、宅地建物取引業者名簿は、宅地建物取引業者自身の情報は細かく記載されますが、宅地建物取引士に関する情報は「専任」の宅地建物取引士の「氏名」のみです(住所は含まない)。逆に、宅地建物取引士資格登録簿は、宅地建物取引士に関する情報は細かく記載されますが、宅地建物取引業者に関する情報は、宅地建物取引業者の「商号又は名称」及び「免許証番号」のみです(事務所の所在地等は含まない)。