下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成5年 問16

【問 16】 不動産登記に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 建物の新築による建物の表示の登記は、管轄を誤って登記されたものであっても、登記が完了すれば、職権によって抹消されることはない。

2 建物の表示に関する登記において、建物の種類は、建物の主たる用途により、居宅、店舗、事務所等に区分して定められる。

3 甲地を甲地及び乙地に分筆の登記をする場合は、甲地に登記されている抹消された登記も、乙地に転写される。

4 所有権の登記の抹消を申請する場合において、その抹消につき登記上利害関係を有する抵当権者がいるときは、申請情報として当該第三者の承諾を証する当該第三者が作成した情報及び抵当権者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供することを要する。

【解答及び解説】

【問 16】 正解 2

1 誤り。表示の登記について管轄を誤って登記された場合には、登記が完了した後であっても、職権によってその登記を抹消することができる。もともと、表示の登記については、職権による登記が認められているからである。
*不動産登記法28条

2 正しい。建物の種類は、建物の主たる用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする。
*不動産登記規則113条1項

3 誤り。登記官は、登記を移記し、又は転写するときは、法令に別段の定めがある場合を除き、現に効力を有する登記のみを移記し、又は転写しなければならない。したがって、甲地に登記されている登記でも、抹消されたものは転写されない。
*不動産登記規則5条1項

4 誤り。権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる(不動産登記法68条)。そして、その申請の際の添付情報として、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、当該第三者の承諾を証する当該第三者が作成した情報又は当該第三者に対抗することができる裁判があったことを証する情報を提供する必要がある。承諾を証する情報及び裁判があったことを証する情報ではなく、そのいずれかを提供することで足りる。
*不動産登記令別表26項


【解法のポイント】本問は、昨年の不動産登記法の大改正によっても、(細かい言葉の変更を除いて)変更されていない内容です。こういう知識は要注意です。