下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成5年 問9

【問 9】 Aがその所有する建物を担保としてBから金銭を借り入れ、Bの抵当権設定の登記をした後、Cにその建物を期間3年で賃貸する契約をCと締結した。この場合、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。

1 Aは、Cへの賃貸について、あらかじめBの同意を得なければならない。

2 Cは、賃借権の登記をしているときは、Bに対抗することができるが、その登記をしていないときは、建物の引渡しを受けていても、Bに対抗することができない。

3 法改正のため削除

4 Cは、その賃貸借を更新することができ、Bが抵当権を実行して差押えの効力が生じた後に賃貸借の期間が満了しても、法定更新をもって、Bに対抗することができる。

【解答及び解説】

【問 9】 正解 なし

1 誤り。抵当権を設定した後においても、抵当権設定者は目的物を自由に使用・収益することができる。したがって、抵当権者Bの同意なく、Aは当該建物をCに賃貸することができる。
*民法369条1項

2 誤り。Cは、賃借権の登記(あるいは借地借家法上の引渡)等の対抗要件を備えていても、Bの抵当権設定の登記が先になされている以上、Bに対抗することはできない。
*民法177条

3 法改正のため削除

4 誤り。肢2で解説したとおり、Bの抵当権設定登記が先になされている以上、Cの賃貸借をBに対抗することはできない。
*民法177条


【法改正対応について】本問は、民法の改正により、肢3の短期賃貸借の解除の制度は廃止されていますので、削除させていただきます。この問題は、本来肢3が正解肢になっていましたので、正解は「なし」とさせていただきます。可能な限り、原出題に近い形で、法改正に対応して改定を加えるという方針をとっております。ご了承下さい。