下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成4年 問29

【問 29】 印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 不動産の売買契約書を2通作成し、1通には正本、他の1通には副本と表示した場合、副本には、印紙税は課税されない。

2 「契約金額は別途不動産鑑定士の評価額とすることとし、手付金額として200万円を受領した」旨を記載した不動産売買契約書は、記載金額200万円の不動産の譲渡に関する契約書として、印紙税が課税される。

3 「地上権存続期間50年、地上権設定の対価1億円、地代年2,000万円とする」旨の地上権設定契約書は、記載金額1億円の地上権の設定に関する契約書として、印紙税が課税される。

4 不動産の売買契約書に印紙をはり付ける場合には、その文書と印紙の彩紋とにかけて判明に消印しなければならないが、その消印は必ず文書の作成者の印章又は署名により行わなければならない。

【解答及び解説】

【問 29】 正解 3

1 誤り。契約当事者間において、同一の内容の文書を2通以上作成した場合において、それぞれの文書が課税事項を証明する目的で作成されたものであるときは、それぞれの文書が課税文書に該当する。そして、写、副本、謄本等と表示された文書でも、契約当事者の双方又は一方の署名又は押印があるもの等、一定のものは、印紙税が課税される。
*印紙税法基本通達19条

2 誤り。契約書に記載された金額であっても、契約金額とは認められない金額、例えば手付金額又は内入金額は、記載金額に該当しないものとして取り扱う。
*印紙税法基本通達28条

3 正しい。地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書の記載金額は、設定又は譲渡の対価たる金額をいう。そして、この「設定又は譲渡の対価たる金額」とは、賃貸料を除き、権利金その他名称のいかんを問わず、契約に際して相手方当事者に交付し、後日返還されることが予定されていない金額をいう。したがって、本肢の契約書の記載金額は、地上権設定の対価である1億円となる。
*印紙税法基本通達23条(2)

4 誤り。課税文書の作成者は、課税文書に印紙をはり付ける場合には、当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない。そして、印紙を消す場合には、自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名で消さなければならない。したがって、文書の作成者の印章又は署名により印紙を消す必要はない。
*印紙税法8条2項、印紙税法施行令5条


【解法のポイント】印紙税は、国税の範囲では所得税に次いでよく出題される範囲です。必ず準備の必要な範囲です。