下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成4年 問17
【問 17】 国土利用計画法による土地に関する権利の移転等の届出(以下この問において「届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 監視区域に所在する土地の売買の届出については、価額及び取引後の利用目的の審査とあわせて、その取引が投機的取引に該当するか否かの観点からも、審査される。
2 市街化区域(監視区域及び注視区域外)に所在する5,000㎡の土地をA・B・Cの3人が共有(持分均一)し、Aのみがその持分を売却した場合、届出が必要である。
3 停止条件付売買契約については、その締結後に届出をするとともに、条件成就後あらためて届出をする必要がある。
4 注視区域に所在する土地の売買について届出をした者は、都道府県知事から勧告しない旨の通知を受けた場合であっても、届出をした日から起算して6週間経過するまでは、その売買契約を締結してはならない。
【解答及び解説】
【問 17】 正解 1
1 正しい。監視区域内の土地売買等の契約の届出については、「当該土地を含む周辺の地域の適正な地価の形成を図る上で著しい支障を及ぼすおそれがある」かどうかも審査される。すなわち、投機的取引かどうかも審査されるのである。
*国土利用計画法27条の8第1項2号
2 誤り。共有物の共有持分の譲渡も、土地売買等の契約に該当するが、本肢ではAの持分は1/3であり、あくまでAの持分の処分は、5,000㎡の土地の1/3の部分について行われたものであるから、市街化区域の届出対象面積である2,000㎡には至らないので、届出は不要である。
*国土利用計画法23条2項1号
3 誤り。停止条件付売買契約も、売買契約である以上、土地売買等の契約に該当し、事後届出が必要である。しかし、停止条件の成就自体は、「契約」ではないので、条件成就後改めて届出をする必要はない。
*国土利用計画法23条1項
4 誤り。注視区域に所在する土地の売買について届出をした者は、その届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間、その届出に係る土地売買等の契約を締結してはならない。ただし、都道府県知事から勧告又は勧告しない旨の通知を受けた場合は、この限りでない。
*国土利用計画法27条の4第3項
【解法のポイント】土地売買等の契約に該当するかどうかは、国土法では非常によく問われる問題ですが、本問の肢2と肢3は、ちょっと考える問題です。土地売買等の契約に該当するかどうかは、1.所有権・地上権・賃借権の設定・移転か、2.対価を得ているか、3.契約か、の3点をしっかりチェックして下さい。落ち着いてその点を考えると、肢3は条件の成就自体は「契約」とはいえないと気が付くはずです。