下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成3年 問34

【問 34】 地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 地価公示の対象となる標準地は、都市計画区域内の土地で、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定される。

2 公示価格は、都道府県知事が、各標準地について2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その平均価格を公示するものである。

3 公示価格は、一般の土地の取引価格に対する指標となるものであり、標準地の鑑定評価を行うにあたっては、近傍類地の地代等から算定される推定の価格、いわゆる収益価格を勘案する必要はない。

4 地価公示は、毎年1月1日時点の標準地の単位面積当たりの正常な価格を公示するものであり、この公示価格は官報で公示されるほか、関係市町村の一定の事務所において閲覧できる。

【解答及び解説】

【問 34】 正解 4

1 誤り。標準地は、土地鑑定委員会が、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域(公示区域)内の土地で、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定するものとする。都市計画区域内の土地に限定されない。
*地価公示法2条1項、3条

2 誤り。「土地鑑定委員会」は、公示区域内の標準地について、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、「その結果を審査し、必要な調整を行って」、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものとする。本肢の誤りは2点あります。まず、地価公示をするのは土地鑑定委員会であり、都道府県知事ではない。もう1点は、公示価格は単純に2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価の平均価格を公示するものではなく、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を土地鑑定委員会が調整するという点です。
*地価公示法2条1項

3 誤り。公示価格は、一般の土地の取引価格の指標となるという前半部分は正しいが、後半部分が誤り。不動産鑑定士は、標準地の鑑定評価を行なうにあたっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、「近傍類地の地代等から算定される推定の価格」及び同等の効用を有する土地の造成に要する推定の費用の額を勘案してこれを行なわなければならない。
*地価公示法1条、4条

4 正しい。一定の基準日(1月1日)における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示するものであり、この公示価格は官報で公示され、さらに関係市町村の長は、一定の図書を当該市町村の事務所において一般の閲覧に供しなければならない。
*地価公示法6条、7条2項、地価公示法施行規則1条


【解法のポイント】地価公示法は、条文数も少なく得点しやすい範囲ですので、出題されたときは確実に得点できるようにしておいて下さい。