下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成3年 問15

【問 15】 不動産登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 所有権移転の登記の抹消は、甲区事項欄に記録される。

2 抵当権の順位の変更の登記は、乙区事項欄に記録される。

3 根抵当権の登記名義人の表示の変更の登記は、甲区事項欄に記録される。

4 買戻しの特約の登記は、買主の権利取得の登記の付記登記として甲区事項欄に記録される。

【解答及び解説】

【問 15】 正解 3

1 正しい。権利部は、甲区及び乙区に区分し、甲区には所有権に関する登記の登記事項を記録するものとし、乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項を記録するものとする。したがって、所有権移転の登記の抹消は、所有権に関する登記であり、甲区事項欄に記録される。
*不動産登記登記規則4条4項

2 正しい。肢1の解説にあるとおり、所有権以外の権利に関する登記は乙区事項欄に記録される。
*不動産登記登記規則4条4項

3 誤り。これも肢1の解説にあるとおりで、登記名義人の変更の登記は、「付記登記」によってなされるので、根抵当権の登記名義人の変更は、所有権以外の権利に関する登記になり、乙区事項欄に記録される。
*不動産登記登記規則4条4項

4 正しい。肢1の解説どおりであるが、買戻しの特約は、一旦所有権が買主に移転し、その売買契約を解除することにより、所有権が売主に復帰する制度であり、まさに所有権に関する登記であり、甲区事項欄に買主の権利取得の登記の付記登記として記録される。
*不動産登記登記規則4条4項、3条9号


【解法のポイント】不動産登記法の問題としては、かなり基本的な問題です。不動産登記法の問題は、以後だんだん難問化していきましたが、最近は若干平易化しています。もう一度基本の確認を!なお、肢4に関してですが、甲区事項欄に記録されるものとしては、他に譲渡担保というのも押さえておいて下さい。譲渡担保は担保ですが、「所有権」の移転という形をとるからです。