下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成3年 問8

【問 8】 不動産の買戻しに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 買戻しをするには、買主の支払った代金及び契約費用を返還すればよく、必要費及び有益費を支払わなければ買戻しをなし得ない旨の特約は、無効となる。

2 買戻しの期間は、10年を超えることができない。

3 買戻しの期間は、後日これを伸長することができない。

4 買戻しの特約は、売買の登記後においても登記することができ、登記をすれば第三者に対抗することができる。

【解答及び解説】

【問 8】 正解 4

1 正しい。売主は、代金(別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用を提供すれば、買戻しをすることができ、必要費や有益費を支払わなければ買戻しをなし得ない旨の特約は、無効となる。
*民法579条

2 正しい。買戻しの期間は、10年を超えることができない。特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、10年とする。
*民法580条1項

3 正しい。買戻しについて期間を定めたときは、その後にこれを伸長することができない。
*民法580条2項

4 誤り。不動産の売主は、「売買契約と同時にした」買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる(民法579条)。そして、「売買契約と同時に」買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対抗することができる。したがって、売買の登記後において買戻しの登記をしても、第三者に対抗することはできない。
*民法581条1項


【解法のポイント】この買戻しの問題は、平成では3年と9年に出題されています。宅建で買戻しが出題されるのは、おそらく対象が「不動産」に限定されているからだと思われます。たまにしか出題されないところですので、条文程度の知識を押さえておくというのがいいと思います。