下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成2年 問7

【問 7】 AのBに対する債権(Cも、Aに債務を負い、又はBの債務を保証している。)についてのAの履行請求に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 BとCが分割債務を負う場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。

2 CがBの保証人の場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。

3 CがBの連帯保証人の場合、AのCに対する履行の請求は、Bに対して効力を生じない。

4 BとCが連帯債務を負う場合、AのBに対する履行の請求は、Cに対して効力を生じない。

【解答及び解説】

【問 7】 正解 2

1 正しい。分割債務の場合、債務者の1人について生じた事由は他の債務者に影響を及ぼさない。したがって、AのBに対する履行の請求は、Cに対しては効力を生じない。
*民法427条

2 誤り。保証債務は附従性があり、主たる債務者について生じた事由は、保証人に対しても効力を生じる。したがって、AのBに対する履行の請求は、Cに対しても効力を生じる。
*民法457条1項

3 正しい。通常の保証の場合は、保証人について生じた事由は、原則として主たる債務者に対して効力を生じないが、連帯保証の場合には、連帯債務に関する規定が準用されている。しかし、連帯債務において請求は相対効しかないので、AのCに対する履行の請求は、Bに対して効力を生じない。
*民法458条

4 正しい。連帯債務者の1人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者に効力を及ぼさない(相対的効力の原則)。履行の請求は絶対的効力事由に該当せず、AのBに対する履行の請求は、Cに対して効力を生じない。
*民法441条


【解法のポイント】多数当事者の債権債務は、分割債務、連帯債務、保証等を比較して問うことができます。よく整理してまとめておいて下さい。