下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 平成2年 問2

【問 2】 債務不履行による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 金銭債務の不履行については、債権者は、損害の証明をすることなく、損害賠償の請求をすることができる。

2 損害賠償額の予定は、契約と同時にしなければならない。

3 損害賠償額の予定は、金銭以外のものをもってすることができる。

4 損害賠償額の予定をした場合、債権者は、実際の損害額が予定額より大きいことを証明すれば、予定額を超えて請求することができる場合もある。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 2

1 正しい。金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
*民法419条2項

2 誤り。当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合、特に時期について制限はなく、契約成立後に損害賠償の額を予定してもよい。
*民法420条1項

3 正しい。当事者が金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨を予定した場合についても、損害賠償額の予定の規定が準用されている。
*民法421条

4 正しい。損害賠償額の予定は、もともと後の損害賠償請求において、その額についての争いを避けるためのものであり、債権者は実際の損害額を証明しても、原則として予定額を超えて請求することはできない。しかし、その損害額が暴利行為にあたる場合や、過大な予定額の場合には、予定額を超えて請求することができる場合もある。
*民法420条1項


【解法のポイント】損害賠償額の予定にポイントを絞った問題。損害賠償額の予定は宅地建物取引業法にも出てきますが、このようなものは民法でも聞かれてきます。