下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成1年 問21
【問 21】 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 開発許可を受けた開発区域内においては、開発行為に関する工事が完了した旨の公告があるまでの間は、建築物の建築は、一切行ってはならない。
2 開発許可を受けた開発区域内においては、開発行為に関する工事が完了した旨の公告があった後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物の新築又は新設は、一切行ってはならない。
3 都道府県知事は、市街化調整区域における開発行為について許可をしようとするときは、必ず許可をする前に開発審査会の議を経ておかなければならない。
4 都道府県知事は、開発許可をしたときは、必ず当該許可に係る土地について、開発許可の年月日等一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない。
【解答及び解説】
【問 21】 正解 4
1 誤り。開発許可を受けた開発区域内の土地においては、工事完了の公告があるまでの間は、原則として建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない。ただし、都道府県知事が支障がないと認めたときなどは、例外として建築物の建築が認められる場合もある。
*都市計画法37条
2 誤り。何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了の公告があつた後は、原則として当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物又は特定工作物を新築し、又は新設してはならない。ただし、当該開発区域内の土地について用途地域等が定められているときは、予定建築物以外の建築物等も建築することができる。
*都市計画法42条1項
3 誤り。市街化調整区域における開発行為について、都道府県知事があらかじめ開発審査会の議を経ないといけないものは、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められるもの等であり、市街化調整区域におけるすべての開発許可について、開発審査会の議を経ておかなければならないわけではない。
*都市計画法34条10号
4 正しい。都道府県知事は、開発許可をしたときは、当該許可に係る土地について、開発許可の年月日等一定の事項を開発登録簿に登録しなければならない。これには、例外はない。
*都市計画法47条1項
【解法のテクニック】よく択一式の問題は、「常に」「必ず」「一切」等の例外を認めないような表現は、誤った肢であることが多いといわれます。ところが、本問では肢1「一切」、肢2「一切」、肢3「必ず」、肢4「必ず」とすべての肢が例外を認めないような表現を使っており、受験テクニックのウラをついてくるような問題です。本問のような形態は、法令上の制限ではたまに見られます。肢1と肢2については、例外がすぐに思いつくようでなければいけません。肢3は非常に難しい問題で、出題当時はほとんどの人が分からなかったと思います。肢4についてですが、これには例外がありませんが、開発許可申請を書面で行うとか、許可すれば開発登録簿に登録するというような形式的で純手続的な規定については例外を認めないというのがほとんどです。宅建試験では、ある受験テクニックが広まると、そのウラをかくような問題が出題されるというのは、よくあることです。従来、宅建試験では、正解肢の番号が肢1から肢4に均等に割り振られていましたが、その話が広まると、昨年の平成17年では、正解番号が肢3というのが圧倒的に多く、従来のやり方を変えてきました。受験テクニックというのは、あくまで問題を解く際の補助として利用すべきもので、それだけですべての問題が解けるというわけではありません。受験テクニック万能に陥らず、受験テクニックを上手に利用して正解の確率を高めるという姿勢が大切です。