下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
宅建 過去問解説 平成1年 問10
【問 10】 A及びBは、Cと売買契約を締結し、連帯してその代金を支払う債務を負担している。この場合、民法の規定によれば、その記述のうち正しいものはどれか。
1 CがAに対して代金支払いの請求をすれば、Cの代金債権の消滅時効は、Bについて完成猶予及び更新される。
2 売買契約を締結する際、Aに錯誤があって、AC間の売買契約が取り消しうるものであったとしても、BC間の売買契約は、取り消しうるものとはならない。
3 AがCに対して債務を承認すると、Cの代金債権の消滅時効は、Bについても更新される。
4 Cが死亡し、Aがその相続人としてその代金債権を承継しても、Bの代金支払債務は、消滅しない。
【解答及び解説】
【問 10】 正解 2
1 誤り。連帯債務者の1人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者に効力を及ぼさない(相対的効力の原則)。履行の請求は絶対的効力事由に該当せず、Cの代金債権の消滅時効は、Bについて完成猶予又は更新されない。
*民法441条
2 正しい。連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。
民法437条
3 誤り。連帯債務者の1人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者に効力を及ぼさない(相対的効力の原則)。債務の承認は絶対的効力事由に該当せず、Cの代金債権の消滅時効は、Bについては更新されない。
*民法441条
4 誤り。相続というのは、1肢で述べた「混同」の具体例であり、絶対的効力が生じるので、Bの代金債務も消滅し、後はAからBに対する求償が問題となるだけである。
*民法440条
【解法のポイント】これは連帯債務の典型的な問題で、連帯債務は解説にあるとおり、7つの絶対的効力をとにかくしっかり覚えること!