下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 令和5年 問38
【問 38】 マンションの大規模修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 工事中の煙や臭いの発生を少なくするため、溶融温度が低い防水工事用改質アスファルトを用いた。
2 工事による騒音が、室内において40dBA程度になると、不快感を訴える人が多くなる。
3 モルタル塗り仕上げ部分に発生している幅が1.0mmを超えるひび割れで、ひび割れ幅の変動がある場合の補修は、Uカットシール材充填工法とし、充填材にシーリング材を用いるのが一般的である。
4 外壁複合改修構工法(ピンネット工法)は、既存のタイルやモルタル等の仕上げ層を撤去せずに、アンカーピンによる仕上げ層の?落防止と繊維ネットによる既存仕上げ層の一体化により安全性を確保する工法である。
【解答及び解説】
【解法のポイント】この問題は、過去問で十分対応可能な問題です。間違えた人は、しっかり過去問を解く重要性に気付いて下さい。
【問 38】 正解 2
1 適切。通常の露出アスファルト防水は、アスファルトを溶融するため臭気や煙により施工現場周辺の環境に及ぼす影響が大きくなる。そこで、溶融温度が低い防水工事用改質アスファルトを用いることは適切である。
2 不適切。40dB程度の騒音は、集合住宅の居間や寝室の標準的騒音レベルといわれる。したがって、工事による騒音が、室内において40dB程度になっても、不快感を訴える人が多くなるとはいえない。
3 適切。Uカットシール材充填工法とは、ひび割れに沿ってU字形にコンクリートをカットし、その部分にシーリング材などの充填材を充填する工法である。この工法は、ひび割れ部の挙動がある場合で、ひび割れ幅が、1.0mm超える場合に採用される。
4 適切。外壁複合改修構工法(ピンネット工法)は、既存外壁仕上げ層を存置したまま、アンカーピンと繊維ネットを複合して用いることにより、ピンによる仕上げ層の剥落防止と、繊維ネットによる既存仕上げ層の一体化により安全性を確保しようとするものである。